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アレキザンダー・ジョン
アレキザンダー・ジョン
novelistID. 16123
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お腹が、痛い (7)

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異常なまでに、強大なチカラを感じ、振り返ったらそこにいたのは風間鴛太郎でも葉月沙耶でもなく、あの二人の友人らしい、何のチカラもない普通の人間にしか見えなかった少年だった。
「逃げろ!」本能がそう言っていた。
根元的な、恐怖。
野生動物が火を畏れるように、おれは、こいつを、畏れていた。
熱い。重い。堅い。鋭い。暗い。怖い。強い。
全てを感じさせる何かを、その少年は放っていた。
「息吹沢…オマエのせいで、ボクの、友達は…世界は…消えるのか!?」
なに言ってやがる、ワケわかんねぇよ!
クソ、ヤバい、逃げねぇと殺される!

足が震えて、動けなかった。

「ああクソっ、動け、動けよ、俺の足だろうが!クソっ、クソオオオォォォォっ」
死にたく、なかった。
殺される側の気持ちを、初めて知った。


何があったのかわからない。
気づいたときボクのそばに、沙耶と鴛太郎は居なかった。