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悪魔との契約 晒し中

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俺は生きるのに疲れた。この世界で俺の味方になってくれる人なんてもういないんだ。会社では解雇されるし、アパートからは追い出される、そしてついさっき俺は親を亡くした。親は俺の残された唯一の味方であり最後の希望だったのに。俺は今親の家、実家にいるがそこには親の存在はない。誰でもいいから来て俺を励ましてくれればいいのに。
「お呼びでしょうか」
驚いた。俺の昔想像した事のある悪魔に今俺の目の前にいる奴が酷似していたのだ。全身真っ黒で頭から角が生えているいたって普通の悪魔だ。それより何故悪魔がこんなところにいるのだろう。さっきまで誰か来てほしいと思っていたが今はこの家に誰も入ってほしくないと思い始めていた。
「お前はいったい何者だ? もしかして悪魔か? もし悪魔ならなんで俺の部屋なんかに来たんだ? 帰ってほしいのだが」
もしこいつが本当に悪魔なら怒って魂を取られるかもしれない。しかし別にそんな事をされても問題ない。今ここに俺がいても俺は特にいい事がないからだ。正確に言えば俺は嫌なことしかない。悪魔は俺が悲観的な事を考えている事を気付いていないのか満面の笑みを浮かべている。
「まだ目的を言ってませんでしたね。あなたの魂をもらいに来たのです。」
「ふーん。そうか。分かった」
俺は相手の目的を聞いた瞬間すぐに警察に電話を始めようとする。しかし電話を取っても音が鳴っていない。
「すいません。あなたがこの話をすぐに受け取ると思っていたもので個々の情報を一切流さないために電話線などの外部とのつながりを全て切ってしまっています」
つまりもうここから出ることはできないということか。もうこいつがあくまでなくてもそうであっても変わらないじゃないか。しかし俺はそんな事では怯えたり不幸がったりはしない。もう俺は世界で一番不幸な奴なのだから。
「しかしですね。タダでもらおうなんて思ってはいません。あなたの願いを三つ叶えて差し上げましょう。」
前言撤回。俺の人生は今この瞬間変わった。最高に楽しいじゃないか。悪魔と契約をするなんて。でもこういう場合たいていルールが提示される。そのルールを守って最高の人生に変えてやろう。
「ルールを提示しろ。」
悪魔は軽く笑った後答えた。
「特にルールはありません。あるとすれば3つの願いをかなえた後すぐに魂を貰う事と魂に関する願いは受け付けれないというものですね」
つまり俺にはあまり楽しい時間をくれないという事と魂は絶対に取られてしまうという事だな。じゃあまず1つ目の願いといこうか。
「俺の親を生き返らせてくれ」
せめて親だけは助けてやってから死ぬのが筋だろう。親には今までさんざん迷惑をかけたしな。
「わかりました」
そう言って悪魔は手を頭上に掲げた。するとその少し上から真っ白な光が現れる。俺は思わず目を背けた。
「武信! 武信か。よくも私たちを生き返らせてくれたな。私たちは天国という最高の場所で楽しんでいたのに!」
俺はその親のあまりにも見苦しい姿に思わず目を背けた。せっかく俺の三つの貴重な権利の一つを使ったのに。しかしこのまま生かしておくのはもっとヤバいだろう。
「殺しておいてくれ」
俺は悪魔に二つ目の願いを伝えた。するともう一度悪魔は頭上に両手を掲げた。すると今度は闇に部屋が包まれた。その瞬間、親の悲鳴が部屋に響く。
「二つ目の願いを叶えました」
悪魔が言った。俺はだんだんと闇が明るくなっていく事に気付いた。そして完全に元の明るさになった時……
「おい、いったいこれはどういう事だ」
俺は悪魔の手の中を見た。その中には腹が真っ赤な血で染まっている親の姿が。
「お、おい。いったいこれはどういう事だよ」
「いえ、殺せと言われましたので」
悪魔は平然と言ってのける。
「生き返らせる時はこんなことしなかったのに。なんでわざわざこんな殺し方をしたんだよ!」
「面白いからです」
悪魔は平然と言ってのける。俺は悪魔に飛びかかってこう叫んだ。
「死ね!」
この一言には親への愛を込めたつもりだったのだがたぶん悪魔への憎しみしかこもっていなかっただろう。
「最後の願いを受託しました」
しまった! つい勢いで口から出てしまった台詞が俺の最後の言葉となるなんて。
俺は死にゆく悪魔を見ながら魂が体から抜け出るのを感じていた。
作品名:悪魔との契約 晒し中 作家名:ナス神様