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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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白城黒友・休暇帰り

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我孫子から蕨屋に帰れば懐かしい色合い…とまではいかないが(離れていた期間の長さ的な問題で)、変わった土地に行くということでいかに自分の住んでいる世界が異質かよくわかる。この町は一つのグループの本拠地故に多くそびえ立つビル群を中心とした奇抜な城下町の相を呈する。蕨屋町にあるぼろアパートはそんな城下町のなかで、数多くある暗いスポットだったりもする。近くのコンビニエンスストアに立ち寄る。ふとビーフジャーキーを持っている自分に気がつく。
 ペット…死んだペットの餌を買う男。何ともまあ気が狂ったような存在だろうな。君は知っているか?彼の友人にはかつて恋人を失うショックを浴びてエロ本を買いあさったりAVのDVDを買っていた男がいるというのに、彼は自分が同じ境遇にたたされて、そのときとった行動は、引きこもりだったのだから:しかし金を手に入れるのには運があって金を必ず調達することができてぎりぎりどころかだいぶん余裕のある生活を送っているこの境遇の男は、それ故にスコレーをたくさん持て余していた;というよりも、彼はスコレー(閑暇)を得るために今のような生活を送っているのだとしか考えられない。
 ネット社会に哲学は下火なのか?今の世代は科学か新興宗教の2択ばかりで、大事なものを考えるとか、どうでもいいものを考えるとか、そういうめんどくさいことは専門家のお仕事なのだと思っている。そして自分はその考えの為の細胞組織になっている。さしずめこういった具合である:<<教祖…脳みそ/口・幹部…手足/骨・本部組織…皮膚/目/耳/鼻・教団支部…内蔵組織・信者…細胞>>そうして利用され、捨てられて…彼らはそうしてゾンビのようになっていくばかりで、思考に発展し得ることはない。
 彼はペットのことでここまで思うのかと少し焦ったが、ペットや彼女を失う気分と教団に裏切られるそれは対して差はないのだろうな、と思って、そっと陳列棚に戻した。