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赤い瞳で悪魔は笑う(仮題) ep2.姉妹

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「更衣さんー、受付の方へどうぞー」
 呼ばれて、俺と紅也は受付の前へ行く。
「えーとですね、更衣さんの入院・治療費は、親族の方からすでにお振込みいただいているので……」
 受付の女性の言葉に、俺は驚く。……俺のことなんて、とっくに忘れていると思っていたのに。看病にも見舞いにも来なかった癖、こういったコトはちゃんとやってくれているものなのか。
「ですから、この書類をですね……」
 事務的な説明を適当に受け流しながら、俺は『親族の方たち』を思い浮かべる。まあ確かに、あの人たちは世間体を取り繕うためなら、この位気前良くやってくれるのかもしれないが。
「……はい、それではこれで退院手続きはおしまいです。お大事に」
――有難う御座います。
 そうして、俺はめでたく退院した。