小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ただ叫ぶ。

INDEX|1ページ/1ページ|

 
君の後姿。
置いて行かれそうでとても怖いけど。

あー!

あーー!!


あーーー!!!


「うるせぇ、なんだよ?」
「なんでもないよ、」
「なんでもない訳あるか!!」

君の横。
立ち止まる僕。
歩みを決して止めない君は。
何を思うの?



あーーーー!!!!



「…ってなんなんだよ、お前。」
「なんでもないよ。」
「なんでもないなら叫ぶな!!」


困ればいい。
怒ればいい。
その間、君は僕のことを考える。
僕のことだけ考えてる。

「意味わかんねー。」

僕の表情を読み取ることが出来ない君は。
僕より先を歩き出す。
どうすれば止まってくれるのかな?
振り返れなんて君の邪魔になるようなこと言わないから。
ただ止まってくれればそれだけでいいから。


あーーーーー!!!!!


思いを口には出来ず、ただ叫ぶ。
君に伝えることが出来ない言葉を心で叫びながら。


「馬鹿、いい加減にしろ。」
「…ごめん。」


好きになってごめん。
友達じゃ満足できなくてごめん。

「泣くなよ、」
「…ごめん。」
「笑えよ。」
「…うん。」

君はそっと僕の頬を叩いて
「それでいい。」
と少し寂しそうに笑った。

僕の気持ちを誰よりも理解してる君は。
やっぱり僕より先を歩き出す。
どうすれば止まってくれるかな?
君の後姿を見るたび考える。

でも今は。
今だけはそのまま止まらずに前へ進んでください。
君が触れた頬が信じられないくらい熱くて。
熱くて。
涙が止まりそうもありません。





君が好きです。






(完)
作品名:ただ叫ぶ。 作家名:吉澤。