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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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それはけしてさして特別なことではない

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彼は今、カッターナイフを持っている。カッターナイフで固定されている私の手首を切りつける。新鮮な血がドクドクと。彼は今、段ボールカッターを持っている。私の服を切り始める。露わになって、そして彼はそのまま、チェーンソーを持ってくる。そして一本二本と足を切る。足を切ると、そのまま立ち去る。後には赤い血。だんだん紫立ちたるそのなかで、私はこのまま固定された、まま?
 彼の儀式。
 それが、私をアガシオンとする為の儀式。私は心を塗りつぶされる…というわけではなく:「心と関係なく口・神経系が動く=従う気はないのに完全に服従『している』状態」なのである;それはつまりは私の深層心理画生き続ける最低の地獄=人格を否定された牢獄を意味しているわけである。
 彼は呟く。
 「君は、誰だ」
 「…ローズマリーです」
 誰だそれは。私という個人すらなくなってしまうのか。というより私は単なる一存在にすぎないというのか。そして一存在としてたまたま選ばれてくくりつけられて殺されたというのか。
 「君は、誰のために存在する」
 「硫黄様のためです」
 珍しいな、硫黄なんて名字。さてはその賃名にふさわしく風変わりな存在を見せつけてくれるのか?しかし彼はそうではなかった<彼は異質なほどにふつうだった。
 「You'd better not twitter(=あなたは甲高い声でまくし立てることがあってはいけません)And, make my order realize(私の指示を実現しなさい)」
 ふつうすぎる。しかし彼はそれを繰り返し続ける。
 ああ、心が衰弱したらどんなにか楽であらんや。