寒いので擬人化SSS書いてみた
通りの向こうからにこにこ愛想よく笑って手を振りやってくる顔だけはいい男を、紅葉は嫌そうな顔で迎えた。
「信号を渡れ」
「いっや、お前の顔を見たら我慢できなくてさ。だってお前、あそこの横断歩道まで回って来たら、逃げただろ?」
「当たり前だ。誰が好き好んでお前みたいな奴に会いたがる」
「ひっでぇなぁ。俺たち仲間だろ? 仲良くやろうぜ」
「誰がお前みたいな奴と。お前が来なきゃ、俺はもうちょっと長生き出来るんだよ」
親しげに肩に腕を回してくるイケメン面を、身長の関係で下から睨み付け、紅葉はすっごく嫌そうに台風の腕を払った。
作品名:寒いので擬人化SSS書いてみた 作家名:みと