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自慢の息子。
あなたはこの言葉でどんなことを思い浮かべるのだろうか?
・足が速い
・背が高い
・成績優秀だ
・サッカーがうまい
・ピアノのコンクールで入賞した
・絵画で評判が高い
・とにかく優しい
しかし瀬川は上記のようなことを考えてはいなかった。瀬川の息子は2人、娘は一人。男・女・男の順に生まれてきた、その末っ子は足は遅く、背は低く、頭はよいとはいえず、スポーツはおろか文化的なことにも長けていなく、また人格も優しいと言うにはどうしようもなく悪だった。
彼は不良グループにいて、そこいらをバットで殴っては窓を破って回っていた。たびたび瀬川は学校に呼ばれた。教師はバーコード頭をかきむしってはふけを落としてこういったものだ:「お宅のお子さんにはたびたび閉口させられる」
瀬川は末っ子の行く末を心配していた。このままでは普通の生活すら、なおまた望み得ないだろう。