へロー!近未来ガール!2
日向泰輔、大学一回生。今年から大阪の大学に進学しました。地元は京都。しかし市内ではなく、北のほうの小さな町。
よって只今一人暮らし中…。
「まあ、どうぞ」
家中で一番まともなマグカップ(姉ちゃんのTDLみやげのミニーマウス)でお茶を出す。
ピンクさんはありがとうと云って一気に飲み干した。喉が乾いていたようだ。
「で、あなたは?」
とりあえず連れて帰ってきたが、一刻もはやく出ていってほしい。都会にでてきてリアルに電波さんを何回か見たが、オレはホンマに電波さんが怖い。友達なんかは笑ってネタにするが、オレにはできひん。
「あっ、申し遅れました。わたくし田中ルリと申します」
(案外普通の名前だ)
自称未来人田中さんはテーブルに手をついて訴えはじめた。
「あたし、あなたの曾孫の日向リクくんと結婚することになってたんです!けど、何者かが過去に違法渡航して…未来の世界でリクが存在しなくなっちゃったんです!」
「はあ…」
「それで、リクのパパの時代や、おじいさまの時代にも行ったんですが、二人ともきちんとリクがうまれる歴史を歩んでいました」
そこで一旦話を切り、田中さんはケータイのようなものをちらりとみた。
「そこで、あなたのもとに来ました。きっと、あなたの時代に違法渡航者が来て、あなたの身になにかあったからリクがいなくなったんだと思って…」
もう、これやから電波さんは嫌やねん。どないせーっちゅうねん!!
「あっ、信じてないですね!?」
田中さんはオレの顔を見て云う。
しかし、寧ろ。信じるほうが難しいだろ、常識的に考えて。
「じゃあ、あたしが未来から来たことを証明してみせます。今10時53分ですよね?三分後に九州で地震があります。震源地は大分です」
テレビつけて確認して下さい、田中さんが促すのでつけてみる。するといつものテロップが出た。
『九州で地震が発生しました。震度は次のとおりです。震源地は大分、なお、津波の心配はありません』
オレは唖然として田中さんを見た。田中さんは少し誇らしげにこちらを見ていた。
「で、本題なんですが、」
画面が切り替わりバラエティからニュース速報に変わった。アナウンサーが少し早口で原稿を読み上げる。
「あたしにあなたを守らせて下さい!」
作品名:へロー!近未来ガール!2 作家名:おねずみ