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【DRRR】月夜の晩にⅠ【パラレル臨帝】

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3.ウサギ濡れる昼間




帝人が臨也の元に来て、2日経った。
彼は基本的に夜行性のようで、夕方になると目を覚まし、明け方になると眠ってしまう。
そのせいで体のリズムが崩れかけている臨也は、少々体調が悪くて機嫌がよろしくなくなってきていた。

「確かに可愛いし、起きているときはそりゃー楽しいし、すごく遊び甲斐があるんだけどさ」

薄っすらと目の下に隈を作りながら、臨也はベッドの中で隣に眠る小さな子供を見つめた。
最初の夜にほぼ徹夜してからは機嫌よく昼間に仕事をして、いつまでも起きないので夕方に自分も仮眠についた。それから1時間程度で彼が起き、計画していたとおり人類の文明というヤツを教え込んでいった。
それはいい。1日2日寝ないぐらいまだまだ問題ない。
何をするにもキラキラと目を輝かせている子供にあることないこと吹き込んでいくのは実に愉快だった。そこに、意外と毒舌なツッコミや、細かな観察眼で鋭い質問を決めてくる様は、なかなかに痛快な体験だったとも言える。

次の日はぶっ倒れるように自分も眠りについたが、以前から約束していた取引相手との会合へは参加せざるを得ず、数時間の睡眠の後、起きて仕事をした。
そして精神的にも疲労して帰宅した頃に帝人は起き出して来て、あの青い目を自分に向けてくるのだ。今日は何を見せてくれるの、と。
そうなれば、臨也は自分の計画したとおり、彼の頭の帽子を被せ、外に連れ出した。

「耳が押し潰されて痛いです!」

と怒る帝人に、仕事での精神的疲労は吹っ飛んだものだが、何だかんだで帝人を抱き上げたり、少し屈みながら手を繋いだり、そんな状況で結構な距離を歩いた。
人ごみの中を小さな子供を連れて歩くと言うことがあれほど大変な物だとは思わなかった。
これからは子連れには優しい人になろう、と、臨也がほんの少し人間として常識的に優しくなれた奇跡的な瞬間でもある。

こうして慢心創意の体をベッドに預け、そのままの体勢で眠りについてしまったのが4時間前。
さすがに上着はぬいでいるものの、外出したままの格好で寝ていたのだから、寝苦しくて途中で目が覚めてしまったのだ。
疲労はとれたというか、寧ろ少し休んだせいでドッと溢れ出た気がする。
まだすやすやと眠る帝人の寝顔に、フッと笑いながらその頬を撫でた。
彼が今日言った言葉が忘れられない。