朧木君の非日常生活(12)
明らかにおかしい。
『やぁ、久しぶり』蜻蛉さんは、座敷ちゃんには出会った当初そう言った。
俺は、一番始めに出会った存在だて思ったから聞き流していた。
しかし、違った。このことを蜻蛉さんは、知っていたのに『やぁ、久しぶり』と言った。
『蜻蛉くん』、これもおかしい。
俺は、座敷ちゃんと出会ってから蜻蛉さんの名前を読んでいない。
仮に俺が意識を失っている時に、蜻蛉さんが自分の名前を教えたとする。
それでもおかしい。
明らかに呼び慣れていた。呼び慣れていたんだ。
『君を助けに来た』
何故助ける義理がある。鎌鼬村の謎を時に来たのに何故助けに来る義理があるんだ。
作品名:朧木君の非日常生活(12) 作家名:たし