凡人の非日常
涙をぼろぼろと流している。
「ありがとうございました。色々と奢ってもらって。じゃあ。」
鈴木君が去ろうとする。
「君は本当に俺の事わかってない。」
鈴木君が俺に背を向けたまま止まる。
「何で今日君を誘ったと思う?」
言わなきゃ。
「何で手を繋いだと思う?」
伝えなきゃ。
「何で君に料理を作ったと思う?」
今まで言いたくてたまらなかった俺の気持ちを言わなきゃ。
「何で君を抱き締めたと思う?」
ずっと我慢してた俺の気持ちを伝えなきゃ。
「何で悲しそうな顔をした君を追いかけてきたと思う?」
結論は一つ。
「君が好きだからだよ。」