詩をいくつか。
サラサラと時を刻む砂時計。
ねぇ、あなたは何を計っているの?
サラサラと時を刻む砂時計。
時を刻むその姿は、とても綺麗だけれど。
時を刻まなくなった姿は、とても不恰好なものになる。
それでもあなたは計り続ける。
何の目的も無く、ただ砂の落ちる姿に何かを重ねて。
サラサラサラ
まるで人の一生のように、急ぐ砂。落ちる砂。
あなたは一体、砂に何を求めるの?
時計
カチカチカチ
時が刻まれる音。
カチカチカチ
時は温度を持たないもの。
カチカチカチ
時は全てのものに平等なもの。
カチカチカチ
差別なんてしない。誰であろうと変わらぬリズムを刻んでいく。
カチカチカチ
世界の事情なんて時は知らない。時は移り行くものだというけれど、しかし実際は変わらない。
カチカチカチ
今日もまた、誰かの不幸を、幸福を、刻んでく。
太陽
輝く太陽、日光による温度上昇。
そのどれもが私の集中力を奪ってく。
後一問。
この問題が解けなければ私の命はつながれない。
汗がぽたりと紙の上へとダイブする。
やめて、そんなことしたら文字がかすんで読めなくなる。
腕から聞こえるカチカチ音が、時間の無さを伝えてくる。
後一問。
この問題を解く間だけ、どうか太陽よ雲の後ろで休んでて。
不思議
ねぇ、美しさって何ですか?
ねぇ、汚らわしいって何ですか?
正って? 悪って?
罪を犯すのは汚らわしいこと。
では、何をすれば私は美しくなれるのでしょうか?
神への祈り?
懺悔?
それとも……死?
人は死して美しい存在なのでしょうか?
では何故、人は生まれるの?
何故、人は人を求めるの?
アイシテルと、口にするの?
世に不思議は多すぎる。
私が貴方を求めることもまた、世の不思議。
ねぇ、今の私は美しい?