EsP2of4 Taken Aback
「あのね、フェアリーちゃん、このくらいでポカーンってしてちゃだめなんだよ?」
「…エクセルさんは、やっぱり強いんですね」
「強くなかったら殺し屋なんてできないでしょ…やられにいってどうするの」
「正直…誘惑しているのかと」
「まあそういうのもいるけどね…でもそれって見た目を知られてない場合に使える戦法なんだよ。私とかチョー有名人だし」
「…」
「あー・ゆー・ていくん・あばっく?」
「…いぇ、いぇす・あい・あむ」
「かわいっ」
「…」
確かに自分と一個くらいしか変わんないようなロリータ処女が(フェアリーもロリコン御用達なんだけど)殺し屋でしかも実力派って言うのは呆気に取られるんだろう…けれども、それくらいのことで驚いていたらこの世界を戦士としてわたっていけないのでは?と思う。仮にも女戦士は何事にも動じてはいけないと思う。ただ、エクセルと違って、フェアリーの体に宿っていた力は治癒能力だったのだ。…誰しも何らかのスキルを1~2こ持っているかれど、普通気づくことはない。力は鍛えることで初めて純化され、目に見えるようになるのだ。
エクセルは彼女の持つ融点のとても高い金属でできた剣(当然ながら、重いので、細く長く作っている)に、能力で火をまとわせて切りつける戦法を取る。ちなみに小さな火炎弾として指先からとばすこともできるので、腰につけている銃はほとんど予備である。いわゆる『保険』という奴だ。
なにが言いたいのかというとこの知り合いはエクセルとは違って剣とか銃とかが保険ではないというところに問題がある。彼女の能力は治癒能力なのだ。しかも完全に開花していない(しかも開花するのにどんなに駆け足でも数十年はかかる)能力だからそこまで有用でもない。それが彼女の問題点であるわけだ。
「あなたなんて私と違って正義のヒロインなのにそんなんでいいのかなあ」
「よくないことはわかってますけど」
「…心配だな」
「でもじゃあどうすればいいって言うんですか」
「だから抵抗してないで早く相棒見つけちゃえって言っているでしょ」
「…」
「全くこの娘は」
しかしまあ、彼女のことを心配しているとは言え、彼女がやると言うならば止める権利はないのだろう。彼女のことを応援するしかエクセルにはできないけれど。
「…」
エクセルはそんな友人を見て、ため息をつく。
作品名:EsP2of4 Taken Aback 作家名:フレンドボーイ42