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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
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CL1of3 斜交葉理的自家撞着

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「お前は…どうしてここにいるんだ?」
 「…あなたの依頼したターゲットもまた私の依頼人なんですよ」
 「な…どういう意味か説明しろ!」
 「どうもこうもありませんよ…僕はクロスしていてかまわないでしょう?」
 彼はそういって双剣をかざす。
 「クロス・ラミナ…それが僕の名前ですから」

 #

 仲間内からも、変な男だといわれ続けてきた。周りからも離れていた。自家撞着が激しかった。依頼人のターゲットもまた依頼してくるというのは、本来受けてはいけない。暗黙の了解だった。殺し屋を続ける上でそれはひどく問題のある行動だった。
 だから彼は依頼を受けるときはよく素性を隠した。そうしないと、クロス・ラミナだからと敬遠されることもありうるからだ。
 「…相変わらずむなしいなあ」
 一人ぼそっとつぶやいた。
 「ゼロだったら、規則は全て守るんだろうな」
 彼はかつて、彼の通った町で会った、黒いファッションの男を思いだしていた。
 「あいつもまた、殺し屋としては矛盾した存在だった」
 殺し屋は感情という物を全て置き忘れていく。人の内面をずっと凝視するためだけにいるような仕事だ。わずか10000スレッドの金で人が死ぬ。ゴミ山で毎日10時間働いても3ヶ月とちょっとで人を殺してもらえるような時代だった。
 内容は様々だった。
 ・なんかむかつく
 ・彼氏をとられた(とられそう)
 ・いじめられている
 ・顔を合わせるのがいや
 ・気に入らない奴の息子(娘)だ
 ・なんとなく
 ・うらやましいから
 ・ふられたから
 ・命令を聞かないから
 ・人の処分に困って
 何でも人が死ぬ為の理由にできる。実に言葉という物は恐ろしい。
 「僕は、…金を手に入れる義務しかないよな」
 結局生活するために稼ぐ。稼いで生き延びてでもやり遂げたい夢なんてあるのだろうかと、時々疑問になる。だけれど自分から死ぬのを選ばない自分を発見する。弱く緩やかに心が衰退している。
 「どうしたらいいんだろうね」
 彼はその日パン屋によって、パンを3つ買って、立ち食いしながら店員を斬った。
 「どうしたらいいんだろうね」