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ふたりごと。

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「里雨?早く起きなさい。遅刻するわよ?」
「・・起きてるよ・・・」

変わらない朝。
変わらない声。
変わらない風景。
変わらない感情。

全ての事に、そろそろ飽きてくる頃だ。

馬鹿校ながらも高校は無事合格し、今日で初日から一週間が経つ。

小学校、中学校ともに義務教育は終えた。
毎日のように見る顔連れに飽き飽きしながらも、また同じような笑顔で言うのだ。
「おはよう みんな」
クラスでは地味なほうだったと思う。
勉強が出来るわけでもなく、運動が出来るわけでもなく。
また人間との関わりなんて疲れるだけだった。

友達などと言いながら、それは中学までの話。
所詮、高校に入れば忘れる記憶。
更に言えばクラス変えまでの仲だ。

詰まらない。

何も真剣になれるものなどなく、同じような朝が来ては同じような夜が来る。

詰まらない。

そんな中で高校にでも入れば何か変わるかな。
なんて小さな期待を背負ってみたが、それは見事に裏切られた。

詰まらない。

適当に席の近い『友達』なんてものが出来、適当に話を合わせるだけの日々。

これじゃあ何も変わってなんかいないじゃないか。


「・・・はぁー・・・」

「どうしたの、里雨ちゃん。気分悪いの?」



   人を信じなくなったのは  いつからだろう。



「ううん、大丈夫だよ」


小学校を卒業する間近、両親は離婚した。

物事はとても静かに行われていた。
父と母の部屋に行くと分かるんだ。
 父の私物が、徐々になくなっていくのが。

今思えば凄いと関心してしまうほどだ。
いつ話し合いが終わり、いつ実行に移っていたのか。

私たちが学校に行っている間?
私たちが眠っている間?
  笑えてくる。

小学六年生なんてもう物事がハッキリ分かる年なのに、その時は何も考えられなかった。
ましてや、まさか自分の親が・・・なんて思いもしなかった。

どうしてかな とは思ったりもした。
けれどいつか、父は帰ってくると信じていた。


    信じ続けて早四年。   さすがにもう理解できる。

  
親は離婚した。
母は新しい男ができた。 父さえも、再婚するらしい。



いつの間にか、母は嫌いになった。
父が出て行ったのも全部、母のせいだと思っていたから。
父は好きだった。でも嫌いになった。
とうとう裏切られたと思ったから。
私には双子の妹がいた。そいつは嫌いだった。

周囲はいつも、自分と妹を比べたがる。

勉強も出来て、運動も出来る。友達だっているし、人懐こい。
そんな妹はいつも愛されていた。 私はいつも負けていた。

何かにつけて皆は言う。
   「お姉ちゃんなんだから」
                   もう疲れた。


作品名:ふたりごと。 作家名:蝶々。