あのこの恋が終わった時
私は遅い夕食を食べていた
あの人が恋人にキスをした時
私はクリーム色した浴槽で溜め息をついていた
あいつの恋が始まった時
私は柔らかい羽毛に飛び乗っていた
君が息を整えた
私はまだ寝そべってる
君がキーを回した
私は夢見心地
君が交差点を曲がった
私は風の音で目覚める
君がコンビニによる
私はホットミルク飲む
君が再び車に乗って
私が再び布団にもぐって
君がうちの下に車とめた時
私はゆっくりと夜に包まれていて
君がチャイムを優しく押すと
私は無防備にも返事をしてしまう
鍵開いてるよ
そして君は
危ないじゃないかと小言言いながら
私と恋をする
作品名:あのこの恋が終わった時 作家名:川口暁