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しん よしひさ
しん よしひさ
novelistID. 17130
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藪のむこう

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明日雨が上がったら



チビスケくんへ

君がいなくなってから、もう随分経つよ。
あの時はとても悲しくて、たくさん涙を流したよ。

きみはネコさんの姿をしていたけれど、
ボクの何もかもを知っていて、
ボクの何もかもを受け止めてくれていて、
そう、
きみがいなくなってから、
ボクの何もかもが行き場を失って、
夜毎ボクを苦しめる。

明日雨が上がったら、
きみを柿の木の下に埋めてあげよう。
秋になって、
きみのような色の実がなり、
きみのような色に葉の色が変わり、
ボクはその頃には、少しきみのことを忘れられるだろうか。

チビスケくん、
ボクは今もかなしい。


作品名:藪のむこう 作家名:しん よしひさ