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夜明け

深い闇を切り裂いて一筋の光が天に届く。
盛りを過ぎた静かな漁港に朝は来る。
幾つかの船が、わずかに体を揺すり眠りを覚ます。
「調子はどうだ」
「子供の熱は下がったか」
「ばあちゃんは退院したのか」
夜明けとともに今日の暮らしが始まる。

無事な漁と、そこそこの漁獲と、しずかな笑顔を。
留まるすべを持たない旅人の勝手な願いです。