MS2 商人は少年でストーカーまがい?
「…いい加減にしない?」
「なにが?」
「私にあったら必ず声をかけること」
「…僕の一番の楽しみなのに」
「知りません」
「最近冷たくない?せっかく来た男をそうやってあしらうなんてさ…まあ僕のことは好きじゃないのはわかっているけ
ど、せめて助けるぐらいさせてよ」
「変な道具出すとかでしょきっと」
「変じゃないって…ほら、シルバー・ブレットを込めた銃」
「いりませんって」
「護身用にもっとけって話だよ」
「だから」
「この辺は妖怪がでますけど」
「妖怪って…まさか」
「そういう種族の動物かもしれないけどどっちみち対策するに越したことはない。僕が隣にいるのが本当はベストなん
だろうけど」
「全力で拒否するよ」
「だろうね」
彼は本当に訳の分からない人である。たった2つわかっているのが、私を好きであると言うこと。そして、しかしなが
らあきらめていると言うこと。
「だいたい何でいつも敵にばっかり物を売るのかわかんない」
「敵にばっかりは語弊だな…客を選んでないだけだし。普通の人にも物を売るよ」
「麻薬とか兵器とか?」
「缶詰も取りそろえているんだけど…あと最新のゲームとか。僕の四次元バッグをなめてませんか」
「本当に四次元なの」
「いや、要領に界限がないから、ってことで大好きなマンガ『ドラえもん』の四次元ポケットから名前をとっただけだ
よ。四次元なんて僕らのタッチできない領域だしね」
「まあいいやそこらへんは…というかなんでまだ私に声をかけるのさ」
「恋がかなわなくても話はしていたいんだよ…男のそんな悲しすぎることくらいすくいとって感じてよ…だいたい君が
かわいいのがいろいろと問題なんだよ、いろいろこの世には悪い人たちが多数いてさ、君みたいなかわいいロリフェイス
の女の子がだよ、しかもロングヘアーでピンクの服を着て、それも身長が低いなんてビンゴすぎるでしょ!くれぐれも死
には気をつけてほしいけれど、レイプにもあわないように気をつけること!ああ、それにしても可愛すぎるな…まあ、も
ういいかな、じゃ、この辺で」
「…」
勘違いしているなあ、なんて思うのだけれど、結局あの人はそれには気づかないんだろうなあ…。私のスリーサイズす
らどっかから聞き出して知っているくせに、肝心な部分は知らない人だ。
そして、実は妖怪みたいな動物が出ることは聞いている。そして、それを駆除してほしいという依頼が書いてある。そ
れを引き受けようとするのは彼としては望んでいないだろう。…関係ない。
私は、独り立ちしなきゃいけないんだから。
作品名:MS2 商人は少年でストーカーまがい? 作家名:フレンドボーイ42