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Episode.0

　何時からだろうか、自分の存在を否定しながら生きてきたのは。名を偽り、生い立ちを隠し、殻に閉じこもる。ただ、惰性に任せ、人に流され、否定する自分すら亡くしてしまいそうになる。そして、ただただ、生きるのでも無く死ぬのでも無く、その中間に漂い、独りさまよう。もしかしたら死んでしまった方が楽なのかもしれない。しかし、死ぬことの本質が判らない。肉体的壊滅が死なのか、精神的壊滅が死なのか…。そして僕は、そんなことをしている内に三十歳を迎えようとしていた。