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幼馴染パロ 短編集2

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どこにいたって、みんなとなら



<どこにいたって、みんなとなら>

「もういい!俺が行く!そうすりゃ勝てるだろ!」
「ちょっ、馬鹿じゃないのシズちゃん。いや馬鹿だって知ってるけどさ、本当に頭大丈夫?これゲームだから。2次元に消えてくれるなら俺としては万々歳だけど、液晶の向こう側には誰もたどり着けないから」
「あ、あ、あ、ダメ!もうだめ、どうしよっ、あ、たすけ・・うわ、うわぁもうだめぇっ!!」

休日の竜ヶ峰邸にて、そろそろ飽きてもおかしくないんじゃないかと思うほどに顔を合わせている3人だったが、今日は珍しく臨也がゲームを持ち込んだ。
時々対戦できるゲームを臨也が持ち込んでは3人でやってみて、最後にはゲーム慣れしていない・・というより細かい作業が苦手な静雄がコントローラーを壊して終わるのだが、今日は1人1台PSPだった。
やっているゲームはハマる人はどん底までハマりこむ、例のモンスター狩りである。

1人じゃもう倒せないところまで来たんだ、という臨也に対して、普段はほとんどゲームをやらない帝人が「これ面白いらしいね」と乗り気になった。
3人でピコピコやっていたはいいのだが、襲ってくる巨大モンスターに対して免疫のない帝人と静雄がビビった。
誰だってちょっと気を抜いていたところに勢いよく後ろから襲いかかられて、前のめりに地面に倒れこむ分身(ゲーム内の自分)を見たら衝撃を受けるだろう。
ひぃぃっ!と悲鳴を上げながら帝人が激戦地から離れたところまで下がって弓を打つ。
臨也はちょこまかと片手剣でヒットアンドアウェー戦法をとり、当然静雄は普段使い慣れて(?)いる大剣を使用した。
が、当然静雄が切れた。

「あぁぁぁ帝人がっ!帝人が死ぬ!っぅあぁぁ液晶割れたーー!!」
「だから何やってんのシズちゃん!?人間は二次元には行けないんだってば何回言ったらわかるんだよ!あ・・っ、そうか、人間じゃなかった・・・」
「お前だって蟲のくせにふざけ・・・・っ、あ」

みしみしパキパキと静雄の手の中で音を立てながらも健気に耐えていたPSPが、今度こそバギャンと悲しくも激しい音を立てて砕け散った。
細かい破片が床に落ちていくのが物悲しい。

「・・・あー・・・しんじゃった・・・」

ぽつりと呟いた帝人がぽいっとPSPを臨也に向かって投げる。
危なげなくキャッチすると

「つまんなかった?」
「つまらなくないというか・・・怖かった。最初の一撃で心折れた」
「だから俺が行った方が絶対倒せる。あの恐竜投げる」
「うん、静雄ならできるよ。臨也には無理だけど」
「なっ!お、俺だってでき・・・ないけどっ、倒すだけなら俺だってできるもん!わざわざ武器捨てて向かっていくシズちゃんのほうが馬鹿だね!間違いなく馬鹿だね!」
「んだとこらぁっ!!」

ぎゃうぎゃうと頭の上で取っ組み合いを始めた2人を無視して、帝人はぼんやりと考える。


(もしあんな世界になったとしても、3人でいれば大丈夫かな・・・とりあえず遠距離攻撃の方法をもっと考えよう)

作品名:幼馴染パロ 短編集2 作家名:ジグ