星と共に消えた恋
別々の場所で一緒の時間に眺めた流星群。
離れていても広い空はつながっているって。僕たちの心もこの夜空と一緒だよって言ってくれた彼。
彼は今どこにいるのだろう。
あの冬空に消えたまま戻ってこなかった。
「僕は冬が好きだな。だって一番星が輝く季節だからね」
そう言う彼の瞳は冬の星よりも輝いて見えた。
星の瞬く冬、私たちは結ばれた。
そしてあれから半年、春になると彼が消えた。
突然のことで自分に何が起こったのか、彼がどうしていなくなったのか全く分からなかった。
ただ、気がついたのはこの夜空からシリウスが観えなくなったことだけ・・・。
彼はシリウスと共に現れ、シリウスと共に消えた・・・。
もしかしたら彼はシリウスだったのか?
そう思うと自分自身ちょっとだけ気が楽になってくる。
またシリウスがこの夜空に観えるとき、彼はまた私のもとに現れるのか・・・。
また今年も冬がやってきた。
シリウスが寒い夜空にキラキラと瞬く。
だけど、私の横に彼はいない。
あの冬空に消えたきり・・・。
今夜もまた私はこの星に願う。
どうか、一度でいいから彼に逢わせてください
と・・・。