夢解き
さようなら。
きみにさようならといいました。泣けたけど、それは多分悪いことではないのです。
柔らかく煮立つようなそのような感情でした。僕と君の距離は。
きみも笑って、さようならといいました。笑えたけど、それは多分喜ばしいことでもないのです。
次に会うときは手を繋ぎましょう。次に会うときはもっとたくさん話をしましょう。
知らないことをたくさん知りましょう。僕がきみに教えます。きみも僕に教えてください。
きみにさようならといいました。
もう会えないことくらいは分かっていました。
それでも、それを不幸とは思えなかったのです。ただひとつの、あい。
きっと孤独は澄んだ色で鳴ります。ぼくはそれに気付くでしょう。
そして、それは明かされぬからこそ、こどくなのです。きみを支えるただひとつの。
そうそれがこどく、孤独、コドク。
だから、大丈夫。また君に気付けます。光るように滑らかに鳴る、もの。
さようなら。さようなら。さようなら。
三秒。どうか願います。
次はどちらで。
次はそちらで。