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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
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ZsW1of2 ゼロズ・ワーク・レポート

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「おまえが、ゼロ・ノートか」
 「…誰だ?」
 「おまえがゼロ・ノートなんだなって聞いているだろうが」
 「人に名前を聞く前に名乗れ。おまえに俺に対する恨みがあるのかどうか知りてえんだよ馬鹿」
 「…恨み?俺の愛娘のモモを殺しておいて貴様なぜ平然としていられるんだ」
 「モモ…ああ、あの城下町の娘か。つまりあんたはあいつの父親だと」
 「無駄な話をしている暇はないんだ」
 そういって斬りかかる男の刃を、彼は素手で受け止める。
 「隙がありすぎるな…本気で敵を取りにくるつもりなら、相手に悟らせたらだめだろ…ましてや俺に堂々と挨拶するとかな」
 「…くっ」
 「あんたの命まで取ることは依頼にはないからあんたは見逃しとくよ。また違う機会を狙うこった。それとも今ここで俺に殺されてしまって、娘の敵をとれないまま天国で娘に会う、という恥さらしにでもあいたいか?」
 「…依頼、だと」
 「依頼だよ。俺は殺し屋だぞ?金にもならない殺しはしないんだよ」
 「どうして人の命を金でなんて買おうと」
 「俺じゃないんだよかねを払ってんのは…ったくよ…俺は殺せと命じられたから殺したんだよ。まあ、依頼した連中が踏み倒そうとしたからさすがにそいつらは斬ったけどな」
 「…おまえはいつも依頼で殺しているというのか」
 「ただでさえ殺しは罪が重いんだから、頼まれもしない殺しはやりたくないな」
 「ふざけるな…おまえのせいでどれだけ苦しんでいる人g」
 「おまえの娘もなんか恨みを買ったんじゃないんですか」
 「逆恨みに決まっているだろう」
 「んなもんわかるか。当事者に聞いたわけでもないのに決めつけるな」
 「そのおまえの言う当事者は踏み倒そうとしているじゃないか!」
 「借金あったようだねえ…どうしてかクレジットカードでの買い物も多かった」
 「じゃあうちの娘にせびっていたんじゃないのか」
 「無職でバイトすらついていないような娘にかい」
 「おまえ個人情報を」
 「あんたみたいなのが山ほどいてさ…まれに本当に悪くない人もいるからさすがに心だって痛むさ。だけど、娘は高級ブランドバッグとかいろいろもっていながら、職に就いているはずのその男は貧乏暮らしを強いられていてさ…意味、わかるよな」
 「…作り話に決まっている」
 「全く…待ってな、今携帯型プリンター出すから」
 「おまえはすべて覚えているのか」
 「殺すというのは鮮明でね。同業のほかの連中は忘れちゃうんだって言ってたけど、俺は覚えてしまうな…ほら、でたぞ」
 そのファイルにかかれている情報のすべては、ちゃんととられた日付までばっちり書いてある。しかも警察資料のナンバーがふられている。
 「嘘だと思うんなら確かめてきたらどうだよ。そこに交番あるしな。というか俺交番前にいたのかよ…不注意すぎたかな」
 その言葉には、全くの嘘があった。交番前にいたことはすでに気付いていた。でも、彼を逮捕しようと言う警察官はいない。その黒い剣、脇に携帯する猟銃のような魔導銃、さらには彼の彼自身の力(それを発動するとさすがに破壊しすぎるようで彼自身がセーブしている)には、誰もがおびえる。それでもアシッドスパークのボスにはかなわないとされているのだから、いかにこの世界は危険か良くわかる。
 交番に行って男は愕然とする。全て事実。全て記録。全てが、娘の態度を見せつけた。
 「落ち込むこたぁねえよ。女はどうしてかそういう時期があるんだよ。まあ、それを許せなかった男も悪いのかもしれないが、生活苦になって急に恨めしくなったのかもしれねえな。まあ、俺には皆目検討つかねえし、関係ないこった」
 ゼロは、その愕然とする男を振り返らずにバイク置き場に向かい、自分の無重力バイクに乗り込むとさっさとどこかに行ってしまった。