詩集 『天―AME―』
『変わらない世界で』
言葉を繰り返し吐いてみた
何処となく他人行儀な自分の姿
滑稽で笑えた。
思い出の中で泣いている人が居た
ただ、何も言えず哀しかった。
あの空のように
当たり前の存在だったなら
こんなに苦しまずにすんだのだろうか?
澄んだ心なんて
知らない
乾いた大地に
恵みの雨なんて降らない
欲望とか
嫉妬だとか
そんなものが乾いた大地に染み込んで
雨を逃がしてしまうんだ
滑稽な人間
哀れな動植物
救えない神
世界はこんなに寂しい
言葉を何度となく呟いてみた
変わらない世界に嫌気が差した
だけどここから逃げることは出来ないから
ただ、ぼおっと空を眺めている
空は変わらず青いままだった。
作品名:詩集 『天―AME―』 作家名:柳 遊雨