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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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XCa1of4 Xenolith

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捕獲岩…マグマが吹きあがるときに、周りのすでに固まった岩石を取り込んだもの。ゼノリスと呼ばれている。その名前を名乗る一人の戦闘員がいた。
 戦闘員、とだけいうとふつうのファンタジーかなんかでは戦士たちに一掃されるためだけに現れたザコ敵にしか思われない響きなのかもしれない。ゲームはそういうところが少しおかしい。戦闘員たるもの並の戦士などさっさと始末できる力か、もしくはそれに準ずる特殊能力でもなければ、戦いの前線には出るべきではない。よくよく考えてみればそれがふつうなのだけれど、しかしながらこの世界でも戦闘員の大半はザコばっかりというわけである。といって、このゼノリスと呼ばれている男が強いのか、ときかれると、さすがに首を傾がざるを得ない。というのは、確かに、名前が有名になるくらいだからそれに値する力は当然有している。しかし彼はそれでも庇護されながら戦っている状況である。凝析するのを防ぐために周りに保護コロイドをたくさん従えた疎水コロイド。そういう通称でももしかしたらよいかもしれないほどである。なにが問題か、というと、残念ながら旅人や戦士などの中に、彼より強い輩はたくさんいすぎるのだ。せいぜい王国軍隊を一掃するくらいの力しかない。しかしそれでも彼は異名を持つ。ゼノリス・ザ・キャッチャー。捕獲すること、そしてもう一つの能力。それが彼を有名にさせる要因である。
 彼は、アシッドスパークにおいて戦闘技能を開花させていった、他の兵卒に比べて基礎体力などが低かったために、当然周りのできることが彼にはできなかった。それは当然彼の上官を怒らしめる。それでも彼はあまり力が強くなることはなかった。
 ここで、アシッドスパークなんてなんだそれは、と疑問を呈する方もおられるだろうから、一応単簡に述べておこう。
 アシッドスパークは、宇宙の独立国家によって構成されるプラネット・サテライト同盟(当然のことではあるが、スター(恒星)には生物は住めない。まれにいないこともないのがこの世界だが、国として独立している事例は少ない。同様に準惑星やその他の天体についても国として成立している事例は少ないため、現状はプラネット(惑星)と、サテライト(衛星)の同盟、という名前になっている。多くの人からは、宇宙連盟でなにが悪いのか、という意見が出ている)に敵対する、テロ結社である。星間マフィアなどもいないことはないのだが、やはり規模はかなわないのが現状である。中にはアシッドスパークの傘下についているところも数多くある。当然だが、自治を行うために国(または星ごと)制圧してしまう、ということ(もしくは消しとばす)を行い続けている。そんな計画の一つがある日行われることになり、彼は先発隊を任された。ああ、期待されていないんだなあ、と彼はため息をつくほかなかった。しかし、その戦場で、強い敵をみて手を伸ばした(攻撃から逃げようとして)とき、なにやら感触があったので、手をグーにすると、彼の目の前の男が消えた。あの男は?もしかしてまた出せたりするんだろうか。どうせ死ぬんだから、それくらいの疑問は解決しておこうと、彼が出したその男は、見かけも傷跡も同じくせに、ただなんにも動かない男だった。
 「…動かないのはうれしいけど、せめてPSの連中やっつけてきてくれないかな」
 適当に彼はつぶやく。

 すると男は走り始めた。自軍の基地の方へと。そして手にしていた武器を乱射してつっこむ。味方の暴走に動揺する兵士を次々となぎ倒し、彼は最終的に基地で自爆した。

 「…」
 彼は結局死ぬことはなかったが、驚きのまま敵軍のものにいろいろ試してみた。自分の命令を聞くようだ。
 ドクターにそんなことを相談すると、ドクターは笑っていう。
 「キャプチャ能力の体制じゃな…キャッチしてしまうんだろうなあ」
 要は敵軍兵士を洗脳して従順な味方ロボットにしてしまう能力だったのだ。
 「敵国についたら好きに乱用しなさいよ」
 「好きに、とは」
 「お前好みの女をキャプチャするとか、なあ」
 そして、ドクターは言う。この能力を大成できれば、相手を洗脳した状態でコピーできるというのだ。
 「…最強能力?」
 「そうでもないがのう…相手が余りに強すぎれば弱めないと相手も洗脳脱出できるし、お主の心よりも相手の心が強くなると回避されてしまう。そうなる前に心の洗脳を繰り返してしまう方法もあるがな。コピーは逆らわないようじゃが」
 「…コピー、ねえ」
 彼は内心わくわくしていた。これであの同輩どもを抜かせるんだ、ということに。

 ゼノリスの能力補完人材収集計画が始まったのは実にこの日だったのだ。
作品名:XCa1of4 Xenolith 作家名:フレンドボーイ42