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ある病室の少女

かつん

かつん


音が聞こえる


あれは


死神の音



死神の




歩く音






「夢ちゃん今日調子いいね。」
「はい」



昨日、隣の部屋のおばあちゃんの部屋に死神が入った。
誰も知らない。
きっとおばあちゃんは今日、天国に旅立つ。
それなのに、私は今日体調がいい。
なんて残酷な世界。


かつん

かつん


この音が聞こえるたび、まるでただ死のみを待っている死刑囚かのように私はおびえる。

どうか、どうか今夜も…

私の部屋を通りすぎますように。


かつん

かつん


…


『カチャ』。