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わたし以外みんな異世界行ったのでどうにかする

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 そこは常世という世界で、そこではこちらの世界を現世と呼んでいた。
 その世界には本物の神様がいて、神様の敵は人喰い鬼。そしてその人喰い鬼を倒し世界を救うのがプレイヤーという勇者のような存在だ。
  ところが老人によればそのプレイヤーが駄目になったので、代わりに第二の勇者を選ぶことにしたらしい。そしてそれがわたしだという。そんなテレビゲーム感覚でいいのか。

 そもそもわざわざわたしを選ぶ理由が分からない。そちらの世界の都合だというのに、どうしてわたしがやらなければならないのか。男は神の意思だとしか答えなかった。その年で中二病とは恐れ入る。
 委員や班長決めでは常に気配を消して、誰かが手を挙げるよう念じることが仕事。学級委員なんて以ての外。そんなやる気のないこのわたしが鬼退治に立ち上がる勇者が務まるか。
 そもそもそんな世界の命運を背負った責任問題は請け負いたくない。そんな根性も素晴らしい博愛精神も持ち合わせていない。何より面倒くせーよ。一人ぼっち生活を続けるうちに、どんどん口が悪くなった自覚はある。

 でもこのまま孤独死するくらいなら貧乏くじ引いた方がマシ。これまたやる気のない動機。
 彼が言う。わたしは二人目のプレイヤー。セカンドプレイヤー。
 わたしはファーストプレイヤーの代わり。主人公代理。ここでも誰かと同じことをやる羽目になる。どうあってもわたしは一番にはなれないわけです。
 役割を果たせ。人喰い鬼を倒せ。鏡から見えるだけのその世界を救えと老人はいうのです。
 でも『2P』より、ニュアンス的には『2機目』の方が近いんじゃないかな。そう、思うわけです。

 どうせそちらの世界に居ないわたしができることなんて、高が知れている。
 そう考えていたからできた安請け合いであって、この状況でまさか命のやり取りをするような羽目になるとは、目の回るような大冒険をすることになるとは、わたしは夢にも思っていなかったわけです。あーあ。