小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

BSS97 苦難受難空難

INDEX|1ページ/1ページ|

 
空高く飛ぶ飛行機に、逃げ場はない。だからミステリーとかなんとかにも密室殺人なんかがあって、そしておきまりのパターンで、「こんな殺人鬼のいる飛行機なんかに乗れるか」と飛び出したはいいが、パラシュートがうまく展開せず一命を失う男。…って冷静に言っている場合じゃないんだよな…。
 そう、勝手にあいつがあけたせいで、空気が一気に流入してしまったのだ。だから、はっきり言おう。犯人が誰であるかにせよ、この飛行機は墜落する。きれいな青い海の上…だったらまだ救いはあるが、どうやら原油が流出しているようだ。…死ぬ場所はきれいなところがよかったなあ。せめて美少女と。
 そう思ったとき、ふとパラシュートを見つけて、逃げようと試みた。パニックになっている乗客どもをとにかく蹴散らす。そして…ダイブ。
 何とか無事に(運が良かったのか)命が助かった。何かすぐ助けまできてくれて、もう大丈夫だ、とわかったはいいが、そうなると急に冷静になる。…ふと見ると、左腕には美少女。…やったー、の展開らしく、美少女は至極当然にその後俺を好きになってくれるわけだが…ちょっとまってほしい。
 俺は誰と飛行機に乗っていたのか。

 友人だ。俺は真っ先に助けるべき友人さえ蹴りとばして助け出したのは美少女だったのだ。ふと海を見ると、飛行機は爆破炎上していた。当然だが。流出している原油に引火したのだから。
 俺はこの気持ち悪さの中で生きなければいけないのか。美少女を真っ先に助けてしまった俺の浅はかさを心の中で苦悩する日々を。しかし死ぬ理由も見あたらないし、何より死ぬのをわざわざ回避して死ぬなんて死後にバカにされそうだ。結局俺は、自分がいかに非道な奴かを思い知らされる。

 助かった人は、生存者は、2名だけで後は死亡してしまったと確認された、とその夜キャスターは報じた。俺は沈んでいる。美少女の隣で。