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「お姉ちゃん……」
　おやすみメールを打ち終えて、那由が携帯を見つめる。
　メルヘンな言葉でしか返信をしていないのに、落ち込んでいる時にはなぜだか励ましの言葉とも取れるメールが返ってくる。わずかな言葉の違いを汲み取って、王子様はメールを返してくれるのだ。
「ごめんね……」
　“さようなら”を告げなかった事。姉のフリをしてメールを続けている事。
　そして……。
「きっと、私も……」
　あの頃の姉同様、王子様に恋をしてしまっている事。