それほど遠くもない場所に、公園が一つあって、そこには一つの小さな木が立っていて、そこにはなぜかしら一つ傷が付いている。それがこの公園の唯一無二の特徴であった。それ以外は何の変哲もない。錆びた滑り台、鎖がボロボロで誰も乗ろうとしないブランコ。警備会社もいなくて、公務員も放置しているにもかかわらず、監視カメラが、しかも創意工夫されて気づきにくく設置されているトイレ。そして血痕が残るジャングルジム。いたって普通すぎる公園。誰だって当然だが、そんな公園に来たがるはずもなく、そしてホームレスすら敬遠する。
傷のせいで。
誰かしらつけた傷は、それだけで不気味というか。
だけど別に問題があったわけではないんだ。
きっと、誰かがいたずらでつけただけなんだ。
だけど、周りのことから気味悪がって見るから、…
そこの切れた縄のようなものと、下に落ちている白っぽい何かが不安になってしまうだけだ。