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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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BSS69 Punk

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俺はロックを歌い続ける。寂れたこの場末のバーで。…なんていっていれたらきっと格好いいのだろうが…俺がいるのはバーはバーでもネット上のバーだ。酒はネット通販で自宅に届く。俺は、ただただひたすら苦しんでいくばかりだ…。この部屋から出てはいけない、という刑に処せられた俺は、つまりそのために公的に引きこもりをしている。金は入るがでれない以上こうやって使うしかないのが現状だった。
 ギターもねえ、ステレオねえ。
 だから俺は歌えねえ。
 ボーカロイドでも買ってみようか、と買ったはいいが、使いこなしすぎて、もうありとあらゆる音楽を作れるようになってしまい、その瞬間涙があふれそうになる。出来すぎてやる達成感がない。
 死を選びとりたいがそれをやってもたぶん警察は生かすのだろう。

 はっきり言って、死刑制度に反対する連中が悪い。死刑になる、というのは自分にあきらめをつけることであり、自己を見つめ直そうという意識もでてくる。そしてそれ故に、そこで反省もでてくる。俺も最初は反省でもしていた。…死刑ならば、最後に心がきれいな状態で死ねたのだ。だが。
 死なない故に意見が突如ころっと変わる。それが俺にとって苦しみのスタートだった。そもそも殺しちゃいけない理由は何だ?俺もいろいろ殺してはいたが、それを殺していけない理由は何だ。だって人が死ぬのは別にいいだろう。生が無意味だからこそ死が訪れるのであって、生が無意味でない人間のみ長寿になれるのだ。シューベルトは無価値で孔子は価値があった、ということだ。なにを言っているのか分からない?
 才能なんかよりも思考の方が価値がある。考えられる奴だけが。
 俺が殺した奴は皆バカだった。バカだからバカなりの行動をしている。バカだし無価値だ。考える力のない奴を殺した俺は偉いと思われるべきだろう?
 …まあ、この国にあわないと言うのなら仕方はないだろうが。
作品名:BSS69 Punk 作家名:フレンドボーイ42