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フレンドボーイ42
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BSS82 ハニートラップ

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男どもをひっかければ簡単に日本などの機密情報など得られるということで、今日も彼女たちは動いている。同じ東アジア系の民族と言うことでかわいい、という基準もそれほど異ならない(しかもいまや空前の日本ブームから日本の情報などスパコンなくとももっている携帯電話端末で調べられる時代になった)ことから、たいして調査いらずとも彼らは日本に対するハニートラップ(性的魅力を訴えて男どもをひっかけるために用意された女性たちを普通こう呼ぶ。宮崎県知事の東国原氏も、こういうハニートラップに遭遇したらしい。彼は理解していたためまったく引っかかんなかったそうだが)なんか用意できてしまうのだ。しかも地味に性感染症なんか植え付けてしまう。そこまでしなくても社会的に彼らは抹殺(あくまでも社会的に、である。いくら女にだまされて、または気分が浮ついて、でも完全に断罪するのは一民主主義国家としてまずい、と判断するのだろう。もちろんだが、公職にも就けないから結局変わらない。一部にはこれを苦にして自殺する者もいるが、大多数はホームレスかなんかに転落するらしい、と言っている人がいる。他方では別の情報を聞くので信憑性云々が気になるところだが)されるので、心配いらないんじゃないか、と思うが、念のためである。
 さて、用意されたハニートラップ要員の彼女は、その政府筋をひっかけようとした。そして万事うまく進み、ばれれば大変な騒ぎとなることをしてしまった。妻子もいるのに。しかも日本に浮気相手まで残しているというのに。こう言うところにはカメラが当然仕掛けてある、なんて普通言われなくても判りそうなものだが、田淵は気づかないようであった。
 「こりゃあうまくいきそうですぜ」
 「ああ、バカな日本鬼子(日本人に対する蔑称である。第二次世界大戦時の日本人のイメージ、を元に言っているそうであるが、もはや隔世の感とも感じられるような世代の多くなった現代においてもなおそれが今の日本人なのだ、と教育する中国共産党が、他方で日中間の友好を説くのは訳が分からない)だぜ」
 「さあ、て、ついにいいところを…これは脅すときが楽しみです、ぜ」
 「そうだな…ん?」
 急に部屋の中が火に包まれる。逃げようとした女が田淵に捕まって逃げられないなか、火は瞬く間に部屋を包み、ついにカメラとの交信も途絶えた。

 焼け跡からは確かに田淵とハニートラップ要員の白骨遺体は見つかったが、カメラも焼けてなくなり、根拠ある説明はできなくなってしまった。類推はされるだろうが、うまくどうとでもとれる状況にあって、それでは脅しをかけるなどほぼ不可能である。
 「まさかあいつも死ぬとは思ってなかったでしょうにねえ」
 「まったく…わざわざ引っかかって楽しむためにきた日本人とか初めてだぜ」
 「なんか流行りそうで怖いのですが。女たちもやはり人間ですし」
 「…主席のお偉いさんに掛け合ったらどうだ」
 「…やっぱり遠慮しときます」
 「賢明な判断だ」