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見つからない、見つからない。そして見つかるわけもない。…そんな物のために人生を送るのが決してナンセンスであるとは一概には否定しない。ただし、一つ言っておく。すべての存在は証明できないこと。また仮に存在するとしても会うことはできないことが多かろう、と思われること。
　それは神でもないし仏でもない、ましてや例の裁きのノートでもない。もう一人の自分という存在のことだ。
　多重人格者ですらもう片方の人格と対話することがほぼ不可能である（多重人格である認識は本人には全くないから）。ましてや、多重人格でもなんでもない人がもう一人の自分などと交流できるだろうか？神や仏はまだ外に認識対象をずらしているけれど、もう一人の自分はあくまで内面論だ。運命は直らないし交差しない。
　まあ、いい。好き勝手に追っていけばいいけれど、少なくとも、一つ言っておこうか。そうして最後の言葉とさせてもらうよ。いいかい？…。

　あなたのもう一人の姿は、あなたを会いたいと要求してはいないだろうよ。