BSS61 差異・それはジグソーパズル。
残りを不細工女に入れると、女は通り魔になった。すみません、逃がしてしまって。そんなことをいいながらメイドは何でも奉仕する。歯を磨くところから何でもやってくれる彼女、だけど。
ここまではみなさんも読んできたストーリー類型じゃないか。なんというかメイドという発想がもう新しくないし、だからと大奥は全く興味がでない。女は一人でいい。そうして考えついたのも、結局ありきたりだらけ。拘束してもおもしろいとは思わないし、解放しても戻ってくる状況に置いて、彼女を有効活用したかった。しかし、AVなどの性的なものにも出したくはない。ならば仕方あるまい。
僕は彼女に様々な仕掛けを施した。骨を段階的にチタンに変え、歯はインプラントにして、やはり皮などは腐食しないようにして、いっさいをテクノロジーで保護しつつ、それから得たDNAを売り出した。
こうして町中は皆似た顔した少女の出歩く町になった。そんななか、彼女をさらに完璧にしていき、僕はどんどん興奮してきた。何でもしまくった結果、かわいいメイドの姿そのままに何でもできるようになり、僕は歓喜した。これまでの完璧な体を作った僕はサイエンティスト最高だ、と。
「違うでしょう」
「な」
「他人を使った実験ですか」
「おまえ…」
「意識がないはずないでしょう。きれいにはジグソーはくめない。だから不純ピースがある、なんて当たり前のこと」
「だが」
「このようにしてしまった方がいいわ」
そうして首を絞めてくる。僕はあわてず何とか鳩尾をついた。そして苦しむ彼女を逆に絞める。
「ふ…何のための弱点か」
「…きか、せて」
「なにを」
「私を、…おもちゃにした理由を」
「…今ある量産型のおまえとは違うものにすることで差異をつければ…俺の存在価値は上がるからだ」
「…あいつにあわせてみたかった。あいつなら存在価値なんて唾でもはいとけ、っていったろうにね」
作品名:BSS61 差異・それはジグソーパズル。 作家名:フレンドボーイ42