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フレンドボーイ42
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novelistID. 608
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BSS55 懐疑少年色彩思考

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紫は古代中国で高貴な色だった。赤と青、というそぐわない色を混ぜて不協和音となった色を、好む種族がいた。不協和音は今ではある一定の人の間に支持を持つようになったから、そういう人たちにとっては当然じゃないか、と突っ込まれてしまうのかもしれないが、どうしても納得は行かない。黄色、つまり金の色を全く含まない色がどうして高貴なのか。
 酸化しない金、それこそが混沌の色をした紫より高貴であろう、と思うのだ。そして僕は黄色を好むのだが、世間は黄色を認めないのだ。金=貨幣のこの世界はまったく金を不浄と見なし、それを教祖に支払うことにしか興味がないのか。教祖どもはそれで圧力をかけてくる。
 「…」
 いっさいの思考を止めた。信仰まで覆すことはできない。僕は例の哲学的な理系少年君じゃないんだ。生きる奇跡に感謝なんてできないよ。花火なんて作ろうと思わないだろうよ。立派なことを言うのはいいし、彼は全く立派だけれど、僕はそれに乗れない。正しい、と思っているのではなく、間違っているのだ、と自覚してなお行おうとするものだ。
 僕は説くのだひたすらに。
 彼には、そしてお天道様には大手をふって歩けないが別にいいさ。僕は信じることができないんだ。疑って疑って、愛する人すら疑った僕さ。今でも好きなのに疑っている。それが僕だ、だから懐疑屋と呼ばれるのだ。
 だから、もうなにも考えない。教祖たち一人一人に、刺してみる。本当にあなたがすごいなら一度生き返ってみてくださいよ、なんてやっても無駄だって、わかるけれど、たいてい宗教の教祖ほど人生に執着している。それだけで、わかる。神様はこいつらなど選んでいない。ならば殺してもいいではないか?疑う、そこから始まる僕はきっと彼とは本当の意味で仲良くはできないんだろうな。