BSS30 glitch
電磁のもやのような、不可思議な、電子音のような音を立てて、あたりをうろうろうろうろと動き回るそれは新種の生き物だ。まさに今、それを目撃したのだが、誰も彼もが不気味に思い近づくことができない。ヨグ・ソトホートだろうか?とかくまさしく「つかみどころ」のない、生き物である。それがあちらこちら色めきたって一様にグレーの体色をして、時には分裂・結合する新たな生物はまさしくゲームのバグモンスターを想起させるものだった。
人々が手に入れた科学技術はとどのつまりバグを引き起こす裏技だったのか?ただただもやのような生き物が、ネズミに寄生して、ネズミの体が半分もやになり、ネズミは死にながら「生きている」。口を開ければ超高音の大音量がけたたましく、たとえるならばグリーンカーで着メロがなったときのようなドキッとさせられる音である。
動いてはいるが、これを生きていると見なしていいのだろうか?さらにはウサギ、鰐、象、ライオン、各種魚、そして人間までもに「感染」した。電子音コーラス。そして宇宙空間から隕石が落ちてくる。これも厳密には金属というよりもやだ。もやのくせに大量破壊兵器のごとく町を4、5やきつくしてしまう。
バグを起こしたから、セーブデータが飛んでしまうのだろう。それどころか、自然というプログラムそのものがうまく動作しなくなってしまっている状態になって…
作品名:BSS30 glitch 作家名:フレンドボーイ42