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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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BSS31 あなたの最期に

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 「君は?」
 「わたし?」
 「他に誰がいるんだい」
 「…」
 「名前は」
 「わかんない。呼ばれた名前がない」
 「そうなの?どうして」
 「私には、存在しているのに必要な経過がない」
 「幻、ってこと?」
 「世界の綻びがたまたま人間型になっただけ」
 「壮大すぎやしないか」
 「意外に普通の事象。どこでもあり得る事態」
 「…名前がないのは呼びづらいな」
 「必要?」
 「なんか用意してよ。そう呼ぶから」
 「…スリット」
 「スリット、ちゃんね」
 「あなたの名前は」
 「僕は、χ(カイ)」
 「偽名?」
 「まあ、そうだね。本名ないし」
 「私と一緒?」
 「そういうことだよ」
 「ねえ」
 「なんだい」
 「どうしてここにいるのかしら私は」
 「さあ、ねえ…僕が恨まれていて、それを具現化して集めた、とか」
 「恨みを買うようなことをしたの」
 「ずいぶん昔にね。そのときに迷惑かけた人間に君はうり二つだ」
 「じゃあなぜ名前を聞いたの」
 「その人より色が全体的に薄いからね。君はどうするつもりだい?別に俺はもうじき死ぬだろうと思うし、別にここで死んだって文句はないんだが、君の創造主の命令はないのか」
 「…受信した」
 「なんて」
 「…切り刻みたい」
 「ふーん。いいよ」
 「道具がない」
 「これかすよ」
 「死んでもいいの?」
 「だって君の創造主が切り刻むことを所望しているのだろう?ならばいいじゃないか」
 「…さみしくないの」
 「君は僕のことをどう思っているの」
 「…」
 「創造主に逆らえないんだろ、感情が」
 「…!!!!…」
 「どうしたんだ」
 「創造主がいるとして、…あなたに誤解をしている可能性は」
 「ありうる」
 「…あああああ」
 「…君の体の半分があの日のあの人になったな…スリットちゃん?大丈夫?」
 「…χ」
 「なんだい」
 「覚えていないのあなたこそ」
 「…受信メッセージか」
 「そうらしい。続き…あなたのやったことで父は死んだが私は生き残った。そして私は父の本来の姿を知った」
 「…知っちゃったんだ」
 「そして、今ようやく結論に辿り着いた」
 「僕がくたばった後に辿り着いてくれよ」
 「…あなたは、父を殺すことでしか私を救うことができる方法がなかった」
 「僕には、な」
 「父は希代の悪だった」
 「だった気もしなくもないが、切った奴が多すぎてわかんなくなっちゃったよ…パルムさん」
 「…死んでしまうの?」
 「もうここにいたら死ぬよ直に。心配してくれても死んでしまう。…ああ、まったくねえ、むなしすぎやしないかい僕の死ぬ様」
 「…あなたの最期に一つだけいわせてほしい」
 「なんだ」
 「あなたが蝕まれる前に私の剣で斬ってさしあげたい。あなたが戦士として死ねるように」
 「…うれしいけど、君も蝕まれないか」
 「十分、充実して生きた。少なくともあなたよりは、ね」
 「…ふーん」