茜ヶ丘
オルゴールが、鳴ってる
合図と、共に、ゼンマイ仕掛けの世界が、
動き出す
この、丘から、見下ろせば大きな古い時計台が見える
あそこには、時折メッキの雨が降り、下を
見るとガラスが輝き、傍には何か欠けた、ジャンクな、ガラクタ達
この、一画は、無機質で、温かく毒で汚染
されている
ふらつく僕の意識、イメージは、スローに
まるで、映画のワンシーンのように
此処は、僕そのものだ、もどかしさと悲しみに、彩られた、煉瓦の壁、この一つ、一つに僕の、心が紡がれ、練られ、幾千、幾億の、集約として壁へと、変貌を、遂げた
こうして僕は、この世界の意味を、見いだし、誰の目にも、止まることなく、築きあげた、訳だが、程なく終わり、を迎える
もうそんなもんも、飽きたってこと さあ、ラストショーだ
ようこそ、道化の世界へ
ここは、他では、見ることがない、夢、幻
に、続く最後の砦
ハハハ、僕には、確実に、終わりが迫るが
どうだろ、此処には、終わる事のない、輝き
で満ちている
題して、希望を、知らぬ少年が、最後に見た光
霞む目には、一面の花
火薬の香、火の粉と、炎が一斉に、天空に
舞い上がる
ハハハ、これが、最後、フィナーレだ