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フレンドボーイ42
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novelistID. 608
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BSS16-6 けふこえて

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 決して勘違いしないでいただきたいのは、僕はあなたに対して意地悪しようとか、そういう意図は全くありません。僕はただあなたに、僕のことを思うことをやめてほしい。あなたはもう僕なんて居なくたってやってゆけるでしょう?なのにいつまでも僕に依存することは決して得策ではない、と僕は思っているのです。それから、否定的になるのも無理はありません。
 古い言葉でも諸行無常、というわけですから、もう昔すでに人は世の中は移ろいやすく全く持って儚いものだ、ということをすでに気づいていたのです。だからまったくもって今更何とかなるさ、なんていって何かを追い求めたところで全く意味はないと思うのですよ。それを知って追うものこそが風流であると思うのです。
 今日ではそれを知る人も全く少なくなってしまいました。みんな、それとも知っているのかもしれませんね。しかしそれは罰当たりなのです、それを指摘することは。だから皆希望のない話をするな、というのです。それが僕の考えているなかでの今日の姿である、と。非常に残念なことしかいっていないけれど、確かにそういう風潮であることは否めません…。
 ええ、わかってはいます。なにをここでおっしゃられるか。そして、知ってほしいのは僕はあなたを、決して否定したくないことです。だからあなたを写真でとり続けた…。あなたのそのときの姿をすべて納めたくて僕はあなたを夢中でとり続けて、押せる限りシャッターを押し続け、気づけばあなたの思い出だけが僕の生きるなかでのすべてになってしまっている。だからこそ、今のあなたには会えない。今のあなたをみたら、僕はきっと死んでしまう。昔と全く変わらないであろうあなたをみてしまったら、走馬燈が走るでしょう。
 天の雲はいつの間にか居なくなってしまいました。僕が来たければ来てもいい、というわけはありません。それを承知であなたは手紙を書いているでしょうから。だから僕も、繰り返しいいますね。…来ないでください。来てはいけません。僕はもう、ここから引っ越すつもりです。いずれ手紙が来なくなったら、そのときはもういなくなったのだ、と思ってもらってかまいません。