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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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BSS22 戟

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刺激を求める、感動を求める、それを何故かフィクションに求める。それが許せないとはいわない。別にいい。フィクションだから感動できない、とかいう奴は死んでしまえ。
 「さてと」
 目の前には一つの犬の死体。そして後ろには猫の死体。あなたはどちらの墓を作るだろうか。どちらも、なんて答える奴は死んでいい。どちらか、と訊かれたらどちらか一方だけを答えるのが筋だ。異論は認めない。
 僕は猫などどうでもいい。犬こそがジャスティス。正義だ。忠義を尽くす犬の方がすばらしい。
 化け猫なぞ怖くはない。猫は恨み辛みでやってくるが、僕にしてみれば怖いところはない。僕の精神力をなめてはいけないよ。
 そう考えていたら少女が猫の墓を作っている。かわいそうに。きっと将来悪い男にたぶらかされるんだ。
 「勝手なことを考えないで」
 人の心を読まないで。
 「猫はかわいいのよ。犬なんて獰猛にしか見えない」
 実際はその逆だがな。
 「ふんっわからないなら結構よ。死ねばいいさ…かわいいからこそ正義なのよ」
 何を言うんだお嬢さん。
 「わからない?私は現代っ子なのよ」
 …理解できたよ。納得はできないけれど。
 「そんなにイヤなの犬派さん」
 イヤだよ猫派ちゃん。やっぱり中身が重要だと思うなあ。皮一枚剥げばみんな、同じだよ。
 「最悪ねえ…でも誰にも共感得られそうにないけど」
 無いね。確かにね。別にいいけどね。
 現代人はバカだと思うよ僕は。
 「残念な人ね…時代に押し流されて文字一つ残せずに終わるんでしょうね」
 
 ふふふ…それは君もだよ。
 「えっ」
 君も、文字一つ残せずに死ぬよ。同じ死に方するなら、中身がいい方がいいけどなあ。
 「どっちも、は駄目?」
 駄目。
作品名:BSS22 戟 作家名:フレンドボーイ42