BSS92 今日は愉快なクーデター日和
数年続いて止められないと政治は転覆します。新たな秩序が築かれる。
8月。気温35度。快晴。風なし。汗がでて、それをタオルで拭いてペットボトルの水を飲む。
経済発展を阻止すること、外交を不安定にし、医療もまったく動かない。子育て支援もストップ。環境破壊がすすみ、二酸化炭素削減目標を50%下回る。なに模できないぐうたら政権が、しかし外国人参政権で政権の椅子だけは確保する。傀儡国家、傀儡政権。海外メディアは連日、「よくこのような国が続くものだ」と報道する。そして非実在青少年は粛正されてゆく。表現の自由は撤廃。あるのはカルト宗教の信仰の自由。みんな既存の宗教には信仰を傾けはしない。カルトだけが生き残る。寺の仏像はオークションに流される。国の崩壊をただ呆然と眺めていたら、声をかけられた。
「なあ、君、一緒に立ち上がらないか?」
「あなたは…?」
「本当の『日の出づる国』を模索する団体だよ」
僕は加わる。数年のネットでの広報・意見活動。署名活動。そして決起する。空をみて、リーダーは穏やかにこう話す。
「今日は、絶好のクーデター日和となりました」
手に取れ、剣を。突きつけろ、銃を。国会議事堂を我らの元に、我らの手に戻すのだ。
作品名:BSS92 今日は愉快なクーデター日和 作家名:フレンドボーイ42