BSS80 ハイドアウト
「ずっとね」
「なんでまたこんなところに」
「まあいいじゃんか」
「よくないでしょう」
「ふふふ」
「で、不便は感じないんですか」
「まあ、少しはね。でも隠れてないとあいつらうるさいじゃん」
「…それだけで」
「イヤだもの捕まるのは」
「だからって」
「いいのかな?僕が捕まったら誰が君を育ててくれるんだ?君が大学でれるまで世話してやろうって言うんだ、文句無いだろ。な」
「…ええ、まあ」
「時にこの人をどう思う」
「綺麗ですね」
「おまえの彼女候補」
「へ」
「いや、あまり高貴すぎる出身だと相手にしてくれないけど、学がなさすぎるのは問題だからね。言うなればこの子はすてきに思えるはずだ、しっかりしているけど、自分の優位は保てるんだし」
「そういう方法で女の子を決めていいんですかあ?」
「いいだろ別に。おまえが愛せばいい話だからな。それに」
「それに?」
「付き合う人ができればその家の少年も変な奴には思われない。ひいてはおれも疑われない。良いじゃないか」
「そこまでして隠れるつもりなんですか」
「国に喧嘩売っちまったしなあ」
「いったい何が悪いって言うんですか」
「いやあ、ただあのおじいさんの真実を海外に漏らしただけなんだがね」
「侮辱罪で逃げるんですか?」
「…いや、国家機密漏洩罪だ」
作品名:BSS80 ハイドアウト 作家名:フレンドボーイ42