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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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BSS21 focus A

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「眼前のものをありのままに見据える…世界で一番難しいことだろうな」
 「その通りでございましょうね」
 「なあ、だって」
 そしてそこでシュヴァルツ様は言った。
 「ロートくんが裏切るなんて考えもしなかったよ」
 「…」
 「どうしたんだ。別に殺しはしないよ…ただくくりつけておくだけだ。君を殺しても死体をやる場所に困るしね。腐ったにおいでこの屋敷が充満しても困る。それに君はこの屋敷から単に出たいだけなんだろう?ならば交渉に応じてくれないかな」
 「どういうことです」
 「いやあ、グリューンを電話で呼んでくれればそれで良い」
 「!どうしてまた」
 「彼がさあ、うちの商売道具持ってっちゃったんだよね…ロートくん、君がもし呼んでくれるならリーラを連れてでて良いよ。僕にはヴァイスがいるからね」
 そういってシュヴァルツ様は私を見る。
 「あれ、もしかして僕のことイヤだ?」
 「仕事上の関係と言うことで」
 「やだなあフられちゃったよ…日頃つらいことばっかりさせているからな…どっか旅行でもいくかい?」
 「ヴェネツィアなら」
 「よしいこうか、チケットとっとくよ。…で、ロート、心は決まったかな」
 「まさかグリューン…」
 「君を裏切ったよ、うん」
 というよりシュヴァルツ様の言葉を聞く前から気づくべきであろう。あの計略深い男がロートを救い出そうとするはずがない。グリューンはおそらく自分の利益のために逃げ出したってところか。
 「しかし呼び出せなかったら?」
 「そのときは君に別のことをしてもらうだけさ。僕らにとっても君にとっても裏切り者だからね、協力はお願いしたいな。君の逃走も彼のせいでままならかったからね」
 「ところで」
 「ヴァイスどうしたの」
 「シュヴァルツ様、どうしてロートは許すのですか」
 「ん?だって別に問題ないもの。彼は僕が無理矢理連れてきたんだ。逃げ出したいのもわかっているし。もう用も済んだし、お互いなるべくハッピーに分かれないとね。あ、ロートくん、言っておくけど、逃がした後に僕をねらったりするなよ?そんな娘としたら容赦なく撃つから。赤の他人として生きないとね」
 「…つながりはしませんが、GPSで近くにいるとでてきてますね」
 「探させてみようか、部下に」
 その瞬間、銃声が鳴り響く。
 「な」
 「グ、グ、グリューン!?」
 グリューンは配下を従えていた。金と武器で成り上がったのか。
 「ありがとよ、ロート。おかげでここまで強くなれたよ」
 「…グリューン、君は」
 その瞬間銃声が響く。ロートは真っ先に撃たれてしまったのだ。
作品名:BSS21 focus A 作家名:フレンドボーイ42