BSS35 Surface A
「読みやすいんですよショートショートとやらは」
「ほう。PG12にもひるまず来たんですか」
「慣れっこです。何しろ現実でいろいろ見ちゃいけないもの見てるんですから。あんな作品読んだからってカウンセラー先生のお世話にはなりませんよ」
「そうですか。それはそれはすごいですねえ」
「で、どうされるおつもりですか。まだやるんですか」
「ええ。まだ34話しかしていない。これからが重要なんですよ。ところで足を見てください。」
「…虫?」
「あなたが殺虫剤を撒いたときの虫たちですよ。DDT?って言いましたっけ」
「自分に返ってくる!なんてレイチェル・カーソンおばあさんの『沈黙の春(Silent Spring)』で読みましたよ。だからなんですか」
「そうじゃなくて、たとえば仏教世界観が正しいとして、…もう一度考えてみてください。その虫は?花は?」
「…!」
「背景の世界観が、ただ仏教に変わるだけで、…あなたは人殺しになるんです。つまり殺しって言うのもまた曖昧なのですよ。何を持ってして人殺しというのかも。まあ、安心してください。私はあくまで世間一般の概念で殺しを語りますから」
「…信用していいんでしょうね」
「…信用はどうぞ。信用するだけなら僕のお墨付きはいらない。勝手にどうぞ」
作品名:BSS35 Surface A 作家名:フレンドボーイ42