BSS04 レッドカーペット
十字架にくくりつけて太刀を差し込み、抜いては刺す。そしてうめく男をまた一つ刺してゆく。シネ、シネ、シネ、シネ、シネとつぶやきながら刺してゆく。彼はただ機械のように動く。潤滑油を差したようにきびきびと動き、午前4時になった今もまだ動きつづける。やはり動かなくなるのを確認すると、すぐ隣の男を刺す。
やがて百人の血でホールは染まる。ホワイトカーペットがレッドカーペットに変わる。そしてそれはだんだん乾いて色が寝付く。そうしてそこに肉が運ばれてくる。
「宴は始まる」
魔術のような奇怪な音楽の中、ダンサーたちは血のにおいにのけぞることもなく踊りを踊り、人々は活気づいて歌い出す。
ただ一人、殺した男のみが無言でホールを退出する。
「自分の民族を、その民族に属するもの太刀を、刺すというのは、いかにやいかに…」
彼は最後に自刃する。
ホールでは戦勝パーティが続く。
作品名:BSS04 レッドカーペット 作家名:フレンドボーイ42