横顔
あの、ふんわりとした、長めの前髪にかかる、伏せたその瞼の滑らかさ、その瞳を縁取る自然にカールした睫。普段はあんまりちゃんと見てなかったけど、落ち着いてゆっくり見つめる。ちょこんとした下睫もきちんとあって、その下のふくよかで、柔らかそうな涙袋。名残惜しくも、撫でるように視線を下ろしていく。形のいい鼻。高くもなく低くもなく、大きくもなく小さくもなく。そして、小さなふっくらした紅い唇。どちらかというと、そんなに大きくないその口。白くて、歯並びも形もいい歯が存在する。自由自在に動くしなやかな筋肉の塊の上は綺麗で、真っ赤な長い舌。すっきりとした顎。そして、全体的にすべらかで、日に焼けていない白い皮膚。ああ、なんて理想の横顔。なんてうっとりしてしまうんだろう。
一生、私のほうを向かないだろうから。
その横顔を好きでいることは、許して欲しい。