BSS77 ω地下鉄・原理主義・返還請求
彼女が死んだ日はあのカルト宗教が世に名前を気づきあげた日だ。しかしあの日、なぜあの地下鉄にサリンは撒かれたのだろう。いや、蒔かれたのだろう、あの種は。
菜奈が死んだ日は多くの人が死んだ。当然のことを行ってみるがそれにはただ悲壮感が浮かぶ。もしJALの事故だったら責めた相手も申し訳なさを浮かべて謝るだけまだ落ち着くだろう。改善点というものを示してくれる連中は、なんとか死を生かそうという努力もできる。死を生かす、というのもおかしい発送ではあるが、そういうことだ。結局、悪い奴らも頭が良く、そしてすまなさを浮かべてくれる奴の方がまだ好感が持てる。
なにがポアだ。
なにが粛正だ。
邪魔なのはどっちだ。
イスラム教原理主義者について、他のイスラム教の人間はどう思っているか知っているか?
「宗教は人を幸せにするためにあり、傷つけるためにはない。つまり彼らのやることは宗教じゃない」
池上彰の番組でそう発言した彼はサリンのことにもふれていた。海外でも有名となったあの事件。事件の十数年後も海外から語られる存在。
こうやってこねくり回して結論を先延ばししてすまない。
要は菜奈を返してくれ、といいたいだけだ。まあ、借金すら返せない連中だろうけどな。人に魂を簡単にはい、と預けられる連中だもの。
伊坂が「魔王」をもっと早く発表していればなあ。
作品名:BSS77 ω地下鉄・原理主義・返還請求 作家名:フレンドボーイ42