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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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BSS12 首都高サイドアタック

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 人には退いてはならない時がある。
 人には振り返ってはならない時がある。

 男は振り返ってはいけなかったのだ。自らの信条のために彼は飛び込まざるを得なかった。…バイカーの世界に。

 バイクを走らせ夜の首都高を駆け回り、見つけたライバルと競争をする。お互いに接近し、時には果敢にサイドアタックを仕掛ける彼ら。負けた相手は横転してトラックにはねとばされる。トラックは止まることを知らない。連続72時間勤務で居眠り状態で走るトラックはバイクの衝撃にも気づかない。 
 勝者には口座に掛け金が支払われてゆく。誰彼が支払うのかそれは高レートで40万ほどの儲けになったりする。
 彼は自らの正義のために走らざるを得なかった。
 「もう署には戻れない」
 彼は覚悟の上でレースに望んだ。白バイで。
 「ポリ公がこんなのやっていいのかよ」
 「おまえだけは許せなかったからな」
 「おいおいおまえの弟は自らバイカーになったんだぜ」
 「…おまえらがふっかけた詐欺による金を返すためにな」
 「それでもケツを自分で拭こうとしてたんだぜ?それをお兄さんがよ…」
 「どうでもいいからかかってこい。拳銃も警棒もおいてきた。小細工は無しだ」
 「じゃあいくぜ」

 この男が弟を破滅に追い込んだ。
 確かに私怨だ。
 どこにも法の下の正義はない。

 それでも。
 自らの正義に向かって進むしかない。

 「くう…」
 「どうしたんだよ意気込んでやってきてそのざまかよ…慣れてない人がやっちゃだめだろこんなのよ」
 「…」

 よく考えればこいつを倒せればそれでいいはずだ。なに生にしがみついているのだ。
 
 「な?おまえそれは死ぬ気かちょっとおま…」

 二台のバイクがトラックには時期とばされる。それは対向車線にまで吹き飛び、すべてはバラバラ・グチャグチャになった。